ボイトレするために、リップロール(リップトリル)は万能です。
なぜならば、声帯への負担を減らして、音階練習に集中できるからです。
よく巷のボイトレスクールで見かける、「アーアーアーアーアーーー」(ドーミーソーミードーーー)
みたいな発声練習は声帯にとって、リスキーです。
母音の「ア」の発音は、発声フォームがしっかりできていないと、のどを閉めやすい音だからです。
まず、リップロールでのどに余計な力みが無く、ハミング(声帯原音)を保てるようにします。
1.リップロール(リップトリル)のやり方のコツ
リップロールが苦手な人も多いかと思いますが、小一時間めげずに練習してみると、ちょっとずつコツがつかめてくると思います。
ステップ1 短く唇を震わせる
①歯を軽く噛み合わせて、唇をやわらかく合わせる
②上唇裏側に向けて息を短くぶつける
このとき、唇を踏ん張って硬くしはていけません!
とにかくアヒル口のイメージで、やわらかプルルン唇を心がけてください!
上手くいかない場合は、人差し指を垂直に立てて、唇の両端に軽く当てて支点を作るとやりやすいです。
ステップ2 長く唇を震わせつづける
①ステップ1に加えて、腹式呼吸を意識して、お腹から深く息を上唇裏側にぶつけ続ける
②お腹は凹ませず、外側に向けて踏ん張るように保つ
とにかく、首から上をリラックスさせることが重要です!
唇を固く力んでしまうと「ビー!」という、いかにも苦しそうな音が出ます。
そえではなく「プルプルプルプル・・・」という風に、柔らかく唇が振動することが理想です。
2.リップロール(リップトリル)を用いた練習方法
リップロールが出来るようになると、のどに負担をかけすぎずに様々なトレーニングを行うことができるようになります、
いくつか代表的なトレーニング方法を紹介していきます。
リップロールでポルタメント練習
音高を無段階に動かすことを、「ポルタメント奏法」といいます。
これはバイオリンをはじめとした弦楽器などのフレットレス(音程を区切るフレットがない)楽器でよく用いられます。
僕達、人の声にもフレットのような区切りはありませんので、同じような演奏を発声で行うことができます。
ポルタメント練習で、どのような部分がトレーニングになるかというと、
地声と裏声の切り替えがスムーズになる
ボーカルレジスター(声区)の移行がスムーズになる
支え(息のコントロール)が安定する
首、のど、唇、表情筋のリラックスキープを強化できる
つまり、リップロールでポルタメント練習を行っていくと、
のどに負担をかけ過ぎることなく、声の上げ下げの練習が行えて、きれいな発声フォームを修得することができます。
それでは実際にやってみましょう。
①ハミングを混ぜながらリップロールを、自分が感じる最低音からスタート
②ゆっくりと徐々に声の高さを上げていく
③地声から裏声に移行するエリアがガタつかないようになめらかに慎重に上げていく
④裏声に入っても、のどは閉めずにいけるところまで上げていく
⑤もうこれ以上高くできない天井まで到達したら、ゆっくり下げていく
⑥上がるときに注意した移行部分を支えを緩めずに下げていく
⑦そのまま最低音まで下げていく
①~⑦までを、一息で3往復を目安に繰り返す
慣れないうちは、途中で途切れたり、唇が固くなってしまったり、息が続かなかったりなどあると思いますが、繰り返し練習していくと、徐々にコツが掴めてきます。スポンサーリンク
3.リップロール(リップトリル) まとめ
リップロールは、できる人はパッとできてしまいますが、苦手な人はホントなかなか出来ないと思います。
しかし、思い通りに歌を歌おうと考えたら、思い通りに自分の体をコントロールすることが必然です。
ピアノやギターなどその他楽器全般に言えることと同じです。
個人的には、
「リップロールくらいできないと自由に上手く歌えるわけないじゃん!」
(もちろんリップロールが出来ない人でも上手いシンガーは大勢いらっしゃると思います)
と感じています。
ちょっと語気が荒くなってしまいましたが、地道に練習をめげずに続けていって、リップロールができなかった人は、自分が関わった中ではお見受けできなかったです。
辛抱は必要ですが、継続して練習していけば必ず修得できます!!
ボイストレーニングの基本は
自宅ボイトレ(ボイストレーニング)やり方のコツ 発声の5ステップを意識する! 目次
をご覧ください!