今回はミュージッククリエイターハンドブックから、CHAPTER4の音響学と電子楽器の後半部分、アナログシンセの音作りについてみていきたいと思います。
アナログシンセの音作りはエレクトリックミュージックな音楽制作では、必要不可欠な知識になります。
ミュージッククリエイターハンドブックでは、このアナログシンセの音作りについて基本的な知識が、かなり、わかりやすくまとめられているので、いまいちシンセの音作りがわからないという方は、ぜひ、この機会に理解を深めていきましょう!
1.アナログシンセの基本構造
まずは上の図を覚えましょう!
これがアナログシンセの基本構造になります。
どれだけ複雑なパラメーターを搭載したソフトシンセでも、基本的にはこのような仕組みで音作りをしていくことになります。
それでは、それぞれの名称を確認していきましょう。
2.アナログシンセサイザーの主要なパラメーター
- VCO:Voltage Controlled Oscillator(ボルテージ コントロールド オシレーター)
- VCF:Voltage Controlled Filter(ボルテージ コントロールド フィルター)
- VCA:Voltage Controlled Amplifier(ボルテージ コントロールド アンプリファイヤー)
- LFO:Lo Frequancy Oscillator(ローフリケンシー オシレーター)
- EG:Envelope Generator(エンベロープ ジェメレーター)
- Keyboard:キーボード
この図で音の信号を覚えるためには、
VCOで波形を決めて、
VCFで音色を決めて、
VCAで音量を整える。
LFOでうなりを加えて、
EGで音の時間的な変化を整える。
この5行が具体的にイメージできるように、アナログシンセの仕組みを理解していきましょう。
3.アナログシンセサイザーの仕組み 各パラメーターの役割
■VCO
音作りするための基本波形を選びます。
主なものはサイン波、矩形波、ノコギリ波、三角波などがあります。
■VCF
各種フィルターの効果について覚えていきます。
・LPF(ローパスフィルター)
フィルターの中心周波数であるカットオフフリケンシーより高い周波数をカットします。
高域成分を抑えて音を丸くするのに使用します。
・HPF(ハイパスフィルター)
低域成分を抑えて音を軽くしたり、高域を目立たせたりするのに使用します。
・BPF(バンドパスフィルター)
特定の周波数(主に中域)を目立たせたいときに使用します。
・BRF(バンドリジェクトフィルター)
ノッチフィルターとも呼ばれ、特定の周波数(主に中域)を軽減するときに使用します。
カットオフフリケンシー近辺の周波数を強調(発振)させるレゾナンスというパラメーターがあり、
これを加えると波形が著しく変化します。
■VCAとEG
アナログシンセではVCAをEGで調整をしなければ、電話の呼び出し音や時報みたいな機械的な音でしかありません。
そこへ、楽器特有の時間的な音量変化を加えることにより、音楽的な音色になります。
EGはADSR型と呼ばれるものがよく使用されます。
A:Attack Time(アタックタイム)
D:Decay Time(ディケイタイム)
S:Sustain Level(サスティンレベル)
R:Release Time(リリースタイム)
ADSRのパラメーターの調整により、ピアノっぽい、ストリングスっぽい、
という楽器らしい音の聴こえ方になります。
また、EGはVCOやVCFにも使われることがあり、
VCOだとピッチが時間的に変化することになり「ぴゅーん、ぴゅーん」鳴り出します。
VCFだと「ビョーン、ビョーン」といったサウンドになります。
ぜひ、いろいろいじくってみてください!
■LFO
低い周波数で周期的な音色の変化を生み出します。
LFOがもっともよく使われるのがVCOで、ピッチが上下してビブラートが得られます。
VCAだとトレモロ効果、VCFだと周期的なワウ効果が得られます。
4.まとめ
この他にもノイズジェネレーターがあり、波、風、などの効果音に使用したり、
フルートや尺八などの息の吹き込みを再現したりする場合に使用します。
アナログシンセの仕組みを理解することは、多くの楽器の仕組みを理解することにも繋がるので、
覚える部分がたくさんあり、大変かもしれませんが、音楽制作の幅を広げるためにも、
しっかり取り組んでいきましょう!!